14.11.08

エシカル・ファッション:シフトかトレンドか?-エステシカにてインタビュー

地球温暖化による気温上昇が毎日のようにメディアで伝えられている最中、ファッション界では“エシカル・ファッション”と呼ばれる物が注目を集めている。“エシカル”とは英語で“論理的な”と言う意味を指し、ファッションを通して人と人・そして人と環境の道徳的で持続的な関係を生み出そうと言うのがエシカル・ファッションである。

ンドン・ファッション・ウィークの一部として開催されてきたエステシカは2008年9月の今シーズンで4回目を向かえる、世界中から集まったエシカル・ファッション・ブランドの展示会だ。

ファッション界での劇的な注目度と意識の変革を果たした今、エシカル・ファッションは現在最も旬なトレンドなのだろうか?エステシカのキュレーターであり、フロム・サムウェアのデザイナーでもあるオーソラさんからお話を伺った。まず、“エコ”という概念がムーブメントとして注目されている事は確かである。しかし、このグリーンな“トレンド”であるエシカル・ファッションは、季節が移り変わるごとに消えてなくなってしまうようなレベルのトレンドではないのであるとオーソラさんは言う。むしろ、これは“トレンド”と言うよりも、世間や社会全体の意識の高まりによって生まれた“シフト”であるのだと。「今、消費者と社会は今までと違う解決策や選択肢を求めています。高校や大学から出てくる学生達だって、自分達が身に着ける洋服がアジアのスウェットショップで製造されていると言う事に対して不満を感じているのです。」


流行としてのトレンドと言ったレベルで起こっている事ではない-そう言われて見て気がつくのが、エステシカに参加しているデザイナー達のスタイルの多様さである。ヒマラヤ民族にインスパイアされたコレクションを発表したインド出身のデザイナー、ニティン・バル・チャウハン。そしてイタリアの伝統的な刺繍法を用いて鞄作りを行っているフィビオネス・バイ・アントネロ。見てのとおり「一つの同じトレンドにはなり得ないの」だとオーソラさんは言う。


ニティン・バル・チャウハン

オネス・バイ・アントネロ


「ファッション業界を内側から変えていくには、想像もつかないほど長い時間がかかる。でも、それは今私達が実際に話して、行動している事。私達は今まで他人の労働力をリスペクトせず、環境を汚し、欲望のままに生産・消費を続けてきた業界に対して異なった選択肢を提供しているのです。そしてこう言った内側からの変革は実際に今起きていて、消費者や社会はそれに反応し、答えてくれているのです。」ファッション業界では、エステシカにより新たな時代の幕が開けられたようだ。






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